いま話題の高知出身の偉人と言えば、そう、植物学者の牧野富太郎博士(以下、牧野博士)! 2023年には彼の人生をモデルにしたNHKの連続テレビ小説『らんまん』が放送され、彼の足跡を知る人はますます増えています。
さて、その『らんまん』は台湾でも話題になっています。というのも、牧野富太郎は日本統治下の台湾で初めて調査に来た植物学者の一人であり、その際に多くの植物を分類し学名を命名しているからなんです。
ということで、今回のゆず活ブログでは、私・台湾カルチャー大好きライターの沢井メグが牧野博士ゆかりの台湾スイーツ「オーギョーチ」の作り方と、ゆず活的アレンジレシピをご紹介します!
・牧野博士と台湾スイーツ「オーギョーチ」
牧野博士と台湾。ドラマをご覧になった方ならご存知だと思いますが、念の為、おさらいしておきましょう。
1896年10月、東京帝国大学で助手を務めていた牧野富太郎は学生の大渡忠太郎、小石川植物園の内山富次郎らと共に台湾に派遣されました。台湾の書籍『被遺忘的日籍台灣植物學者(忘れ去られた日本の台湾植物学者)』によると、約2カ月の滞在期間で品種にして約1000種、標本の数にして3000点以上もの植物を採取したのだそうです。
その中で牧野博士が学名をつけたことで知られる植物がオーギョーチ(愛玉子)。台湾にのみ自生する植物で、種子から台湾スイーツ・オーギョーチのゼリーが作られます。台湾の屋台で、レモンジュースに浮かぶオーギョーチは、まさに夏の風物詩。スッキリ食べられて美味しいんだなぁ〜!
……レモン味が美味しいなら、同じ柑橘類のゆずでも合うのでは?
牧野博士が学名をつけたオーギョーチを出身地の名物・ゆずでいただくって、なんだかエモくないですか!? 早速、ゆずバージョンを作ってみました。
「オーギョーチ」の材料
(フルーツポンチボウルで3人分ぐらい)
・オーギョーチの種子:10グラム
・水:300cc
・ゆずジュース:適量 ※今回は280ml入りのペットボトル3分の1本を使用。
・クコの実:少々(お好みで)
調理に必要な道具
・ガーゼ、もしくはガーゼ製の巾着袋
・ボウル
さぁ! こちらがオーギョーチの種子です。ネットで買えるよ!
ビジュアルがなんかこう……
文鳥のエサ……?
これがどうやったらゼリーになるか想像つきますか?
煮だす? 溶かす? いや、そもそも溶けるのか!?
早速、正解を見てみましょう!
「オーギョーチ」の作り方
1.「オーギョーチ」の種を布袋に包んで口を縛る。
※お茶パックでも代用できますが、そのまま使うと中の種が出てくることがあるので、二重にしたり、口を紐やゴムで縛って使うのがベターです。
以前、中の種が出てきたことがあったため、お茶パックと布袋を二重にして使いました。
2.水を入れたボウルに1を入れてよく揉む。
ゼリーの作り方は以上です!
「えっ? それだけ?」と言いたくなりますが、これだけです。
これがどうやってゼリーになるのかというと、まず種を揉み始めて1分ほどで色が出てきます。
2〜3分でトロミがついてきて……
5分ほどでゲル状になりました。
これ以上揉んでも何も出ないな、というところまでくればOKです。
今回は大体6分ぐらいで種子はカスカス、ゼリーはプルプルになりました。
※もし袋の中の種が出てきてしまっていたら、トロミがついたぐらいで一度ザルやガーゼを使ってこしてください。
すでにプルンプルンですね♪
後は冷蔵庫に入れて冷やしましょう。
基本的に常温で固まるので、冷やし時間はオーギョーチの様子を見ながらでOK。
すでに好みの固さになっていたら、すぐにでも食べられます。
仕上げ
最後に一口サイズにカットして、ゆずジュースに浮かべれば完成〜♪
今回は、はちみつ入りのゆずジュースを使ってみました。
なんとも涼しげなビジュアル。見た目は台湾の「オーギョーチ」そのものですね。
味はというと……
ゆず、やっぱり合う〜!
レモン味のオーギョーチと比較すると、よりサッパリした味わいです。
ゆず独特の心地よい苦味がスッキリとした風味を醸してくれます。
そしてこの風味がいいですね、ゆずの香りって癒される……
レモンの「オーギョーチ」は夏バテした体に元気をチャージするイメージですが、ゆずは癒し、圧倒的癒しです。
同じ柑橘類なので、似ているけどやっぱりそれぞれ違う。ゆずバージョンはゆったりした気持ちで美味しくいただくことができました。
アレンジするなら・・・
さて、今回はインスタントではなく、種から作るガチの「オーギョーチ」で試してみました。実はガチ「オーギョーチ」はそれ自体には味があまりありません。ガツンとした甘みが欲しいなら、さらにゆず茶(ゆずジャム)を足したり、反対にもっと爽やかにしたいときはゆず果汁を足してみるのもいいですよ。
こちらがジャム入り。色がジュースと同化していますが、最後にゆずジャムをティースプーン1杯のせています。 ゆずって皮が入るとまた美味しいですよね♪
皆さんもぜひぜひ試してみてくださいね!
(文、写真/沢井メグ)
参考図書:呉永華(1997)『被遺忘的日籍臺灣植物學者』(晨星出版),台湾