台湾の夏の定番デザート「オーギョーチ(愛玉子)」。台湾にのみ自生する植物「オーギョーチ」の種子から作られるゼリーをはちみつレモンに浮かべた食べ物ですが、このオーギョーチの学名の名付け親はなんと日本人! 高知県出身の植物学者・牧野富太郎博士だったということは、彼をモデルにしたNHK朝ドラ『らんまん』でご覧になった方も多いかと思います。
牧野博士は「日本植物学の父」と呼ばれていますが、台湾でも多くの植物を採集・分類しています。台湾植物学史から見ても重要な人物だったんですね。
というわけで、前回の記事では私・台湾カルチャー大好きライターの沢井メグが、オーギョーチと牧野博士の故郷の特産・ゆずをかけ合わせた「ゆず版オーギョーチ」のレシピを紹介しました。これが美味しかった!
でも、本場・台湾の人にとってはこの組み合わせはアリなんでしょうか? 気になったので台湾の方にゆず版オーギョーチの感想を聞いてみました!
ゆずでいただくオーギョーチ、台湾人的にはアリ? ナシ?
今回、協力してくれたのはこちらの3名です。
以前の記事のレシピ同様に、種子から作ったオーギョーチにゆずの名産地・高知県馬路村のゆずジュース(はちみつ入り)を合わせて味見してもらいました。
ゆず×オーギョーチは台湾人的にアリ? ナシ?
皆さんの意見を総括すると……
アリでした!!!!
感想を具体的に聞いてみましょう。
ゆず版オーギョーチは新しい味
「ゆずと合うと思います」
「十分合います。材料は全て天然のものと果物なので、健康にも良さそうです」
「新しい味です。めちゃくちゃ爽やかで相性がいいと思います!」
新しい味。なるほど! この点はTonyさんからも「相性はいいです、ただ(レモンを使った)台湾のオーギョーチとは味が違う」という意見が出ました。ゆずとレモンは同じ柑橘類ですが、確かに風味が違います。私もレモン版は元気をチャージ、ゆず版は癒しの味という印象を持ちましたが、台湾の皆さんにもゆず版は新鮮な味わいに映ったようですね。
台湾の伝統的な味に近づけたいときは?
ゆず版オーギョーチ、台湾の皆さん的にはこれはこれでアリということでした。
さらにTonyさんからは
「ゆず版は酸味が強くなく、すっきりした甘さなので子供が喜びそう。オーギョーチをもう少し固くしてタピオカのようなボール状にしたら子供に人気のデザートになるかもしれません」
陳さんからも
「日本で台湾関係のイベントをするとき出せば売れるかも!」
とのこと。ゆず版オーギョーチ、可能性が広がりますね!
でも、もしゆずを使ったオーギョーチをより台湾の伝統の味に近づけたいと思ったらどうしたらいいのでしょう? 台湾の皆さんからヒントをもらいましたよ! それは……
「追いゆず果汁」!
「台湾人的にはもう少し酸味が欲しいです。ゆず果汁を足したらバッチリでした!」
「私もゆず果汁を足した方が好きです」
どれほど酸っぱくしたいかは個人の好みもあるかと思いますが、今回、試してもらった3名のお話からは、酸味をプラスするとより台湾伝統の味に近づくようです。最初から酸っぱめのゆずジュースを使うのもありですね。
まろやかな味わいも酸味がある味わいもどちらも美味しくいただけるオーギョーチ。好みの探してみるのもいいかもしれません。最近では、実店舗でもオーギョーチの種子や素(もと)を目にするようになりました。作るのはとっても簡単なので、ぜひ、ゆず版の味も楽しんでみてくださいね!
(文、イラスト、写真/沢井メグ)