高知の文化を語るには切っても切れない日本酒。
県内には18蔵もの酒蔵があり、高知県が誇る清澄な水質を活かした個性豊かなお酒造りが各蔵元で行われている。
土佐酒の特徴といえば「淡麗辛口」。「箸拳」や「献杯」といった酒文化に合わせて「淡麗辛口」のものが多くなったとも言われている。
ただ、「淡麗辛口」と一言に括っても感じ方は様々。口に含んだ時のアタック感が強いもの、味の膨らみと味の消え方が激しいものなど、土佐酒一本一本に各蔵元のこだわりを感じることが出来る。
土佐酒の味と共に、各蔵元それぞれの想いを感じる土佐酒の「飲み比べ・利き酒」は土佐酒の楽しみ方の一つである。
高知県観光特使でもある「吉田類」氏が選んだ「まるごと高知 土佐酒利き酒セット」第一弾を紹介する。
■吉田類さんが選んだ土佐酒利き酒セット
【類セレクトA】 無手無冠 特別純米/土佐鶴 豊穣 純米吟醸/美丈夫 純米大吟醸 舞 5,800円
左から「無手無冠 特別純米」(無手無冠)、「土佐鶴 豊穣 純米吟醸」(土佐鶴酒造)、「美丈夫 純米大吟醸 舞」(濵川商店)。
今回の3本は辛口ではあるが、それぞれ飲み口が異なるところがポイント。土佐酒を飲むのが初めての方から土佐酒ファンまで幅広く楽しむことが出来る。初心者の方には土佐酒の味わいや辛口の表現を感じ、土佐酒ファンには改めて良さを感じるのに非常に優れた3本セットとなっている。
■無手無冠 特別純米/無手無冠
高知県の西部四万十町の山間部にある酒蔵の「無手無冠」。清流四万十川の伏流水を使用して製造されており、酒蔵名にも使用されていることからも分かるように本酒蔵を代表する一本である。「無手無冠」という名の由来は「原料に手を加えず、冠におぼれず、飾らず」。原料の良さを活かし、誉を得ても常にお酒の良さを突き詰めるといった酒蔵の思いが込められている。
飲み口はスッキリとした印象で、味の膨らみとキレを楽しむことが出来るお酒になっている。
■土佐鶴 豊穣 純米吟醸/土佐鶴酒造
高知県の日本酒製造の技術、味のクオリティの高さを全国にまで知らしめた高知県を代表する酒蔵の「土佐鶴酒造」。全国新酒艦評会にて29回連続、全国最多となる通算47回もの受賞歴を持つ、日本中に愛されている酒蔵である。
「淡麗辛口」が多い土佐酒だが、あえて米の旨味を強め、ほどよい酸味を感じる辛口のお酒になっており、高知の自然の豊かさを感じさせる。煮物や揚げ物と相性が良く、酒蔵のこだわりを確かに感じられるお酒である。
■美丈夫 純米大吟醸 舞/濵川酒造
日本有数の多雨地域と知られ、豊かな自然が育まれている高知県東部に位置する「濱川商店」。軟水である奈半利川の伏流水を仕込水として使用している。
香り華やかだが強すぎず、大吟醸だが確かな旨味、スッと消える後味の余韻も感じることが出来る。一度飲むとまた飲みたくなる、そんな魅力を持つお酒である。
いかがだっただろうか?
高知県を代表する酒蔵の「土佐鶴酒造」、高知県西部に位置する「無手無冠」、東部に位置する「濵川商店」、本セットで高知県のお酒の特徴や高知県の風土を感じることが出来る。お酒だけで楽しむのもオススメだが、高知の食と共に、是非味わって欲しい。